アルミニウムという物質
アルミニウムとは一体、どのような物質なのでしょうか。
まずは、アルミニウムについて知ろう!
物 性(純度99.996%)
アルミニウム(ALUMINIUM) 周期律第3族金属元素
元素記号
原子番号
結晶構造

原子半径

原子容量
密度
融点
沸点
Al
13

面心立方格子結晶構造

1.428Å

9.99cm3/g・Atom
2.70g/cm3
660.4℃
2470℃
アルミの15の特性
(1)軽い
比重は、2.7。鉄や銅の1/3!
ですから、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機、ロケットなどの輸送分野やホイール、ピストンのような高速回転部品などで、運動性能、作業効率を高めています。
このことが、輸送機器の燃費をも向上させています。
(2)強い
純アルミは柔らかくてさほど強くありませんが、銅や亜鉛、マグネシウム、ケイ素、リチウムなどと合金にしたり、冷間加工や時効硬化熱処理を施すことによって強くなります。高力アルミニウム合金と言われる超ジュラルミン・超々ジュラルミンは鋼鉄に匹敵するほど。
3億円事件で有名になったジュラルミンケースって、アルミ合金でできてるんですね。
(3)腐食しない
鉄も黒染め(四三酸化鉄皮膜処理)、酸化鉄の処理をしてしまえば多少は耐蝕性が高くなりますが、アルミは反対に酸化しやすい金属なので酸化皮膜がすぐに生成します。この酸化皮膜(アルミナ)が保護膜となるので、大変耐蝕性がよいのです。アルマイト処理(人工的に、より厚く緻密な酸化皮膜を形成させる処理)などの表面処理を施すと、さらに耐蝕性を高めることができます。
(4)加工がしやすい
アルミは圧延、押出、鍛造、成形など様々な塑性加工が容易です。
どこのご家庭にもある薄いアルミ箔や、押出形材のように様々な複雑な形状を造り出すことができます。
(5)電気を通す
純アルミの電気伝導率は銅の64%!銅に次いで高い電気伝導率を持つ金属です。同じ重量の比較なら銅の約2倍です。(小学生のとき、レモン電池の実験で実証しましたよね?!)
重量の軽減が望まれている高圧送電線は、今ではほとんど銅からアルミに代わっています。
(6)熱しやすく冷めやすい
アルミの熱伝導率は、銅の約2/3で、鉄の約3倍です。
この特長を活かして、冷暖房装置
や、ヒートシンク、飲料缶などの放熱・受熱効果、冷却効果を促進させるものに多く使われています。アルミ製のやかんや鍋って、すぐにお湯が沸きますよね!
(7)磁気を帯びない
アルミニウムは非磁性で磁場に影響されません。
パソコンのハードディスクや、パラボラアンテナ、リニアモーターカー、各種精密電気機器など、特性を活かした用途が広がっています。
簡単に言うと、磁石にくっつかないということ。アルミ缶とスチール缶を分別するときに磁石を利用すると便利ですよ!
(8)反射性が高い
アルミは熱や光、電波をよく反射します。
反射率はアルミの純度に比例し、放射エネルギーの90%以上を反射する物もあります。
空港のレーダーやマイクロ波の中継用パラボラアンテナ、暖房機の反射板、照明器具などに幅広く使われています。CDにもその特性を活かしてアルミが使われています。アルミ合金製ディスク表面に膜を生成させて光を反射させています。
第二次世界大戦時には、敵の航空機のレーダーを撹乱するためにアルミで作ったテープを空中に散布していたそうです。
(9)低温に強い
アルミは、液体窒素(-196℃)、液体酸素(-183℃)、液化天然ガス(LNG:-162℃)の低温でも鉄鋼のような脆性破壊は起こさず、伸びやねばりが強い(じん性)という特性を持っています。強度とじん性、さらに軽量であるという特性を組み合わせて、低温プラント、LNGタンク、宇宙開発分野の先端技術に活かされています。
(10)真空特性が良い
ガス放出が他の金属に比べて非常に少ないという性質のアルミを真空装置に用いることによって、装置自身からのガスの放出を抑え、超高真空を得ることができます。高真空ポンプや配管、高真空半導体装置、理化学実験装置などに使用されています。
(11)鋳造しやすい
アルミは融点が低いので(660.4℃)、溶解が容易です。ケイ素との合金は鋳型の中での流動性がよく、充填しやすくなります。そのため、肉厚の薄い複雑な形状の鋳物を造ることができ、ピストン、ホイール、カメラボディ、シリンダブロックなど、様々な部品に使用されています。
(12)接合性が良い
溶接、ろう付け、はんだ付け、リベット接合、接着など様々な接合法で容易に接合できます。このことにより、広い分野でアルミの広範な設計、施工を可能にしています。
(13)毒性が無い
アルミは無臭、無害です。
ですから、キッチンで使うアルミホイルからジュースを入れるアルミ缶、薬のパッケージ(カプセル剤、錠剤など)、医療機器など、幅広く使用されています。化粧品や歯磨き粉の成分にもなってるんですよ。何と言っても一番オドロキなのが、薬の成分にもなること!殺菌剤、傷・炎症・火傷の治療薬などに含まれています。
(14)見ための美しさ
現在では、様々な色彩のアルミがありますが、何と言っても、アルミ本来の無機質な美しさは格別です。
1855年にパリで開かれた第1回万博に出品されたアルミのインゴットは、銀よりも美しい金属として注目を浴びました。
(15)リサイクルしやすい
アルミは製造時に多量のエネルギーを消費します。ところが、アルミの廃材(アルミ缶なども含む)を溶かして再生した場合、約3.7%のエネルギーで製造できます。紙のように「リサイクル品」と書かれていないので気付きませんが、アルミ全体のリサイクル率は、なんと65%です。
リサイクルは鉄、銅、亜鉛、パルプなど多くの分野で行われていますが、アルミほど再生比率や省エネルギー、省資源効果を兼ね備えた金属は他にありません。

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